瀬戸市美術館特別企画展 「瀬戸染付-軌跡そして技と美-」に行ってきた!

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11月20日(水)、瀬戸市美術館で開催中の「瀬戸染付の軌跡」展に行ってきました。

 

この展覧会は、江戸時代後期の草創期から明治時代の万国博覧会に出品された作品、

 

昭和時代の無形文化財保持者の作品まで、

 

瀬戸染付の歴史を網羅する貴重な展示内容です。

 

 

 

 

特に、宮内庁や愛知県美術館が特別協力したことで、

 

通常は見ることができない名品が多く含まれていました。

 

 

これまで図録でしか見たことがなかった作品を、

 

生で、しかも間近で見ることができた体験は本当に特別でした。

 

 

 

 

その緻密な絵付けや造形の細部に宿る技の美しさ、

 

そして実物ならではの迫力に、ただただ圧倒されるばかりでした。

 

 

 

特に、明治9年(1876年)のフィラデルフィア万国博覧会に出品された川本桝吉作「染付花鳥図獅子紐蓋付大飾壺」は圧巻で、

 

ガラスケース越しではなく、至近距離で鑑賞できたことは忘れられない経験です。

 

 

 

瀬戸染付の美しさとその技術の精巧さを再認識できる素晴らしい展示会でした。

 

 

 

瀬戸市美術館企画展「瀬戸染付の軌跡」

 

  • 会期: 2024年10月5日(土)~11月24日(日)

 

  • 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)

 

  • 休館日: 10月8日(火)、11月12日(火)

 

  • 入館料:
    • 一般: 500円(団体: 400円)
    • 高校生・大学生: 300円(団体: 240円)
    • ※団体料金は20名以上の場合

 

  • 会場: 瀬戸市美術館

 

  • 主催: 瀬戸市美術館・公益財団法人 瀬戸市文化振興財団

 

  • 特別協力: 宮内庁、愛知県陶磁美術館

 

  • 展示内容: 江戸時代後期の瀬戸染付草創期から昭和時代の無形文化財保持者の作品、さらに皇室で使用された盆器や、明治9年フィラデルフィア万国博覧会出品作など、貴重な名品を一堂に展示。

 

 

 

 

 

 

第1段落: 瀬戸染付の始まりと加藤民吉の努力

瀬戸での磁器生産は江戸時代後期に始まり、その中心は青色の顔料を使った染付焼でした。しかし、初期の瀬戸染付は九州肥前の磁器に比べて品質が劣っていました。その差を埋めるため、加藤民吉は九州へ修行に向かい、約3年の修業を経て磁器製造技術を瀬戸に伝えました。これにより瀬戸染付の品質は向上し、尾張藩の重要な産業へと発展しました。

 

 

第2段落: 明治時代の自由競争と万国博覧会への出品

明治時代に入ると尾張藩の保護がなくなり、瀬戸の窯屋たちは自由競争の中で欧米の万国博覧会に出品するようになりました。そこで瀬戸染付は精巧なつくりと繊細な絵付が高く評価され、ジャポニスムやアール・ヌーヴォーに影響を与えるとともに、輸出拡大の契機となりました。

 

 

第3段落: 近代化と瀬戸染付の発展

万国博覧会での成功を背景に、瀬戸染付はさらに発展を遂げ、多くの華麗な作品が生み出されました。技術面での近代化が進み、時代の変化とともに瀬戸染付も進化を続け、現在に至っています。